試験研究費税額控除制度における人件費に係る「専ら」要件の税務上の取り扱いについて

  最近、試験研究費税額控除制度における人件費の範囲について、国税庁から中小企業庁に対する回答の形で、その取り扱いが明らかにされ、国税庁のホームページにその内容が公表されました。試験研究費税額控除制度における人件費の範囲については、以前より多数質問をお寄せ頂いていましたので、今回、その取り扱いについて記載いたします。

(中小企業庁からの照会)
  中小企業庁では、試験研究費税額控除制度の活用を図る観点から、同制度にいう「専門知識を持って

  当該試験研究の業務に専ら従事する者」には、  
    T 試験研究部門に属している者や研究者としての肩書きを有する者等の試験研究を         
       専属業務とする者。  
    U 研究プロジェクトの全期間中従事する者のほか、次の全てを満たす者もこれに該当すると

       すると解して差し支えか、国税庁の見解を求めて照会しました。            
      1 試験研究のために組織されたプロジェクトチームに参加する者が、研究プロジェクトの全期間に    
        わたプロジェクトの業務に従事するわけではないが、研究プロジェクト計画における設計、    
  
        試作、開発、分析、データ収集等の業務(フェーズ)のうち、その者が専門的知識をもって    
        担当する業務(以下「担当業務」という。)に、当該担当業務が行われる期間、専属的に従事する    
        場合であること。    
      
2 担当業務が試験研究のプロセスの中で欠かせないものであり、かつ、当該者の専門的知識が
        当該担当業務に不可欠であること。    
      3 その従事する実態が、おおむね研究プロジェクト計画に沿って行われるものであり、従事期間が
        トータルとして相当期間(おおむね1ヶ月(実働20日程度)以上)あること。この際、連続した期間    
        従事する場合のみでなく、担当業務の特殊性等から、当該者の担当業務が期間内に間隔を置き     
       
ながら行われる場合についても、当該担当業務が行われる時期において当該者が専属的に従事
       
ているときは、該当するものとし、それらの期間をトータルするものとする。
      
4 当該者の担当業務への従事状況が明確に区分され、当該担当業務に係る人件費が適正に計算

        されていること。        
             
(国税庁の回答)        

  これに対して、国税庁では、「ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありま     

 
 せん」と回答し、中小企業庁の見解を容認するとともに、今回の照会・回答の内容を全国の国税局に通

  
知しています。(平成15年12月25日 課法2-28)